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栽培品目

【植物工場と米】稲の水耕栽培ってできる?ビジネス的な解説

こんにちは、今村です。

皆さん、植物工場のお米って聞いたことありますか?

工場産のお米…?レタスは聞いたことあるけど…

そうですよね。

植物工場産の米なんて聞いたことないはず。 だって、無いですから。

でも、あまり知られていないですが、一応、植物工場でも稲は栽培できます。

植物工場とは、環境制御技術を用いて、野菜や果物などを計画生産する施設。 水耕栽培に加えて、光、温度、湿度、CO2濃度を最適化することで、農作物を安定的に生産できるわけです。

しかし稲の栽培に関しては、 技術的には可能でも、商業的な面から実用化には課題が多いのが現状なのです。

この記事では、植物工場における稲栽培の可能性と課題について解説します。

そもそも、なぜ植物工場って葉物野菜ばかりなの? という方は、以下の記事も参考にどうぞ。

植物工場のなぜ?栽培品目が葉物野菜ばかりになった理由

植物工場にピッタリな栽培品目は?

植物工場を建てるには、高額な設備投資が必要です。

そして事業継続のためには、投資回収を早めることが何より重要。 そのため植物工場で栽培される作物は、生育が早く、回転率が高いものが選ばれる傾向にあります。

そりゃー本当は色々な工場産野菜を生産したいですよ。 でも、事業を成り立たせることが最優先ですしね。

それに、高コストな設備を導入するためには、ある程度の売上が必要です。 だからある程度単価が高い野菜でないと、コスト回収が難しくなります。

特に人工光を使用する場合、照明のランニングコストが大きな負担です。現場にいる我々の頭を悩ませる問題です。

そしてここがポイント。

栽培した作物に捨てる部分が多いと、かけた光エネルギー(電気代)が無駄になります。 そのため植物工場では、可食部分の割合が高い品目が適しています。

つまり、育てるのに高いコストをかけているんだから、収穫したら全てを売りたい! 捨てる部分があるなんて勿体ない!

というわけです。

以上の条件から、レタスやハーブなどの葉物野菜が植物工場の主要な栽培品目となっています。

稲は植物工場に合っているの?という話

稲は、他の植物工場向けの品目と比べて、生育期間が長く、単価も比較的安いです。

レタスが約1ヶ月で収穫できるのに対し、稲は年2回程度の収穫(日本の温帯気候での話で、熱帯地域では年3回以上の場合もあります)だし、手間もかかります。 レタスが小さな葉菜類で生育が早いのに対し、稲は大きく成長し、実った米の収穫まで時間がかかりますしね。

また、稲は玄米や精白米以外の部分、つまりもみがらや葉・茎は利用価値が低いので捨てることに…。

そうか、確かに稲は捨てる部分が多くて勿体ない…

そうなんです。

植物工場ではランニングコストが高い分、捨てる部分が多いと、投入コストが無駄になります。

さらに、日本を含むアジアでは米は主食であり、価格を低く抑えることが社会的にも重要視されています。 高級品として売るってことも難しいです。

そのため、植物工場の高コストな設備投資に見合うだけの収益性が確保できないんですよね。

この点は、以前書いた「植物工場と穀物」の関係に似ています。 以下の記事も参考にしてください。

植物工場で小麦・大豆など、穀物の水耕栽培 〜可能だけど誰もやらない理由〜

以上の点から、稲の栽培特性は、植物工場の特性とは合致しないと考えられます。

現状の課題と将来の可能性

植物工場内の栽培エリア

植物工場で商業的に稲栽培をするのはムリがあるよー。 って話をしました。

これは、稲の栽培特性と植物工場の相性が悪いから。

でも実は研究レベルでは、稲の水耕栽培に可能性が見出されています。

将来的には、医薬品原料用の高価格米とか、 安全性・安定生産が重視される時代になれば、米の植物工場栽培も広まる可能性はあります。

特定の成分を高濃度に含む医薬品原料用の米とかであれば、高い販売単価を設定できますよね。

なんせ、この「特定成分を増やす」みたいな分野は、環境制御ができる植物工場は大得意ですからね。

植物工場での稲栽培にもメリットが出てくるってわけです。

食の安全性や安定供給に対する消費者の意識が高まれば、高コストでも植物工場産の米に対する需要が生まれるかもしれませんしね。

そんな日が来るかどうかはわかりませんが。

でもいずれ、工場産の米を食べることがあるかもね。という話でした。

まとめ

植物工場と米の栽培について、現状の課題と将来の可能性を詳しく解説しました。

結論として、植物工場における米栽培は、技術的には可能ですが、事業としての実用性は現時点では乏しいと言えます。

米は生育期間が長く、単価も安いため、高コスト構造の植物工場では収益性を確保するのが難しいのが実情です。

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